輪島塗スピーカー

製作例

製作例

W200×H370×D280(突起部含まず)内容積12リットル密閉型
六面ともアテ(能登ヒバ)の一枚板を使用(バッフル30mm厚、他五面20mm厚 )
輪島本堅地、溜塗 呂色仕上
※現在、JX92S密閉型は在庫がございませんので、受注生産となります。(黒漆仕上もオーダーできます。)

材質・構造・技法

スピーカーユニットに応じた内容積の設定には、シュミレーションソフト等も用いますが、材質・構造については指物師の意見を取り入れながら、実際に作っては音を聴く事を繰り返して選定しました。

木工

輪島で古くから建築材や重箱の木地等として用いられてきたアテ(能登ヒバ)を伝統的指物技術で加工、板と板の接合に伝統的組継を応用し、更に漆を流し込み強固に接着しています。

指物についての解説はこちら

漆塗

木地に漆で布を貼り付ける「布着せ」や「地の粉(珪藻土)」を漆と混ぜ合わせ、箆で塗る輪島独特の下地塗りが不要な振動を抑えるのに有効と思われます。 (100mm×150mm×18mmの板材によるテストで、剛性が50パーセント向上し、更に振動の減衰時間も25パーセント短くなります。)

漆についての解説はこちら
輪島塗の工程や歴史についてはこちら

板材の共振周波数

100mm×150mm×18mmのアテ材に布着せ、一辺地を施した板材の共振周波数データ(鉄球で衝撃を加えたデータ)
板材の共振周波数

累積スペクトラム

100mm×150mm×18mmのアテ材に布着せ、一辺地を施したものに鉄球で衝撃を加え振動測定し、FFTアナライザーで減衰特性を解析したデータ
横軸が周波数/縦軸が振動レベル/前後軸が時間
累積スペクトラム

工程別共振周波数比較表

100mm×150mm×18mmのアテ材、アテ材に布着せを施したもの、更に一辺地を施した板材の密度、共振周波数、振動減衰時間の比較表

板材 密度ρ 一次共振Hz 二次以降 減衰時間msec
ヒバ無垢 0.45 1.6k (2) 120
ヒバ布着せ 0.45 1.8k 2 (3) 110
ヒバ一辺地 0.47 2.0k 2 (3) 90

測定に使用した各工程のサンプル

測定に使用した各工程のサンプル

環境対策

無垢材を天然漆で仕上げる事で塗装面の美しさや音質改善の効果の他に、環境負荷を低減できるというメリットも生まれてきます。
電機系が、簡単に取り外せる構造になっているため、塗り直しができ、また、電機系を外した状態では全て天然素材なので、廃棄処分しても土に還ります。

吸音材

これは音質を優先した結果ですが、吸音材にはウールやコットンを使用しています。

半田

これも音質を優先した結果ですが、極力圧着接続を用い止むを得ない場合のみ無鉛半田を使用しています。

顔料

黒漆仕上
鉄分に反応し黒くなる漆の性質を利用し精製された黒漆を使用、顔料を使用していません。

溜塗仕上
一般的に朱漆で上塗りした後に、もう一度朱合漆(顔料の入っていない半透明の上塗用漆)で上塗りする「溜塗」で、朱漆のかわりに弁柄漆(顔料の主成分が酸化鉄で赤系の顔料で最も環境負荷が小さい)を用いています。
弁柄は他の赤系顔料と比較すると、発色はやや劣るものの落ち着いた仕上がりになります。

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